金欠薬剤師のブログ

勉強の内容や、ツイッターで話題になってることを自分の考えとともに書いています。

抗paf作用って何だ??

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この時期は花粉症の話をする機会が多いです。

今回は新しいアレルギー薬の「ルパタジン」の売り文句である抗paf作用についてまとめたいと思います。

 

 

疑問①pafって何だ?

paf:Platelet-activating Factorの略で、血小板活性化因子の略

この血小板活性化因子に抗う作用なのだろう。

 

疑問②血小板活性化因子って何するやつなの?

久しぶりに薬理作用の勉強です。

最初は血小板を凝集させるための因子として発見されたケミカルメディエーターのひとつ。

この血小板活性化因子を研究していくと「血管透化性亢進」「 白血球活性化」「 平滑筋収縮(気管収縮作用)」などの炎症反応に関与する生理活性を持つことが明らかになった。

 

疑問③抗paf作用があると何でアレルギーにいいの?

白血球は好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球といった5つの成分に分類され、それぞれが異なる役割を担っていることが知られています。

・好中球は細菌の排除

・リンパ球はウイルスの排除や抗体の産生

・単球は細菌の排除や老廃物の除去

好酸球アレルギー反応寄生虫の排除

・好塩基球はアレルギー反応に関与することが分かっています。

白血球を活性化させなければ、好酸球・好塩基球の反応が弱まり、アレルギーが起きないという考えです。

また、炎症が起こると、血管透過性が亢進し、そこから炎症反応を引き起こす物質が流れ出て、炎症が広がっていく。そこで血管透過性亢進を抑えることで、炎症反応を広げないようにしていくという考え。

アレルギー反応は自己免疫による炎症反応って理解してるので、炎症反応を抑えることで、アレルギー症状も落ち着くってことかな?

 

疑問④アレルギーの薬で抗paf作用がある薬は何がある?

・ゼスラン・ニポラジン(成分名:メキタジン)←運転禁止薬(眠気が出る)
・アゼプチン(成分名:塩酸アゼラスチン)←運転禁止薬(眠気が出る)
・ザジテン(成分名:ケトチフェンフマル酸塩)←運転禁止薬(眠気が出る)
・セルテクト(成分名:オキサドミド)←運転禁止薬(眠気が出る)
・アレジオン(成分名:エピナスチン塩酸塩)
・タリオン(成分名:ベポタスチンベシル酸塩)
アレロック(成分名:オロパタジン塩酸塩)←運転禁止薬(眠気が出る)
・ルパフィン(成分名:ルパタジンフマル酸塩)←運転禁止薬(眠気が出る)

なんかめっちゃいっぱいあるんですけど・・・

どれがいいのかは、つかった人の感覚だろうしなー

 

ルパタジンに関して

ルパタジンが日本では新しい薬として売り出されてるけど、実は古い薬(2001年に国際的には誕生)らしいからね。

あと、同じ構造を持つ「ロラタジン」「デスロラタジン」は運転に関して記載がないのに、ルパタジンは運転禁止薬に該当するのはなぜ?

わけわからーん!

 

あ、ちなみに久々に国家試験のときの資料を開いたら、ケタス(成分名:イブジラスト)にも抗paf作用があると書いてありました。血小板活性化を抑えることで、脳梗塞の再発・悪くなった部分を進行させないようにする薬なんだけど、コレにもあるなんてね~

 

今日はここまで!!!

 

以下資料

ルパフィン(ルパタジン)の作用機序:抗ヒスタミン薬

抗PAF作用を持つ第二世代抗ヒスタミン薬 ルパフィン錠発売 - 薬剤師の脳みそ~薬局薬剤師の勉強ブログ~

免疫・アレルギー反応に関わる白血球成分の数の個人差を解明 | 理化学研究所

炎症に対する論文(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsir1981/8/6/8_6_499/_pdf

炎症誘発因子としての血小板活性化因子