金欠薬剤師のブログ

勉強の内容や、ツイッターで話題になってることを自分の考えとともに書いています。

尿酸についての勉強会

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先日、尿酸に関しての勉強会があったので、そのまとめです。

講師は帝人のメーカーさんでした。

メーカーの勉強会だと製品のいいことを話すことが多いですが、他のことも質問したら答えてくれるので、勉強になりました。


以下、内容のまとめです。

 

 

高尿酸血症は採血の結果で分かります。

基本的には7.0mg/dLを超えると危険域

8.0mg/dLを超えると薬物治療が考慮され始める

9.0mg/dLを超えると痛風リスクも一気に高くなる

薬物治療をしている人は6.0mg/dL以下を目指す

 

他の生活習慣と同じように、食生活の改善が主となっています。

・食べ過ぎ、特にプリン体の摂取は注意

プリン体が尿酸になっていくので、プリン体を見る必要がある。基本的には内臓や干物が多い。

・アルコールの摂取はほどほど。

少量のアルコールは利尿作用もあいまって尿酸値的には相殺されるみたい。でも、ビール500ml以上になると尿酸値をあげるほうにシフトするので、基本的にはアルコール摂取は控える必要がある。

プリン体offのアルコールがあるが、アルコール自体が尿酸値をあげることを忘れずに。

・十分な水分摂取

水分制限の無い人は1日2リットルを目標。

 

上記の話に付随していってたのが、牛乳がプリン体を減らすのだとか?

あまりガッツリは聞いたこと無いけど、そんな話あるのかな?

 

尿酸は尿として出されるので、水分とって溶かして流すのが基本!

利尿作用のあるのものの摂取はいいらしいけど、薬の利尿剤は尿酸をあげるので注意(ループ利尿剤は特に)

 

痛風は関節にたまった尿酸の結晶がはがれ、白血球が尿酸と反応することで炎症が起こる。そして痛み・炎症が起こる。

痛風発作時は尿酸降下薬はNG。

炎症が治まって7~10日くらいで服用開始する方がいいと考えられる。

ただ、アメリカでは一気に尿酸値を下げるためにいきなり薬で尿酸値を下げるらしい。

痛みは仕方ないよねってことなのかな?

 

果糖・ショ糖などの摂取でも尿酸値上昇のリスクとなる。

そのため、尿酸値が高い人に対して「果物とかを使ったダイエット」はNG

果糖が尿酸を生成するらしいけど、詳しい話は不明・・・orz

 

薬の話として

アロプリノールとフェブキソスタットの非劣勢試験は「アロプリノール200mg」vs「フェブキソスタット40mg」非劣勢を出してる。

アロプリノールは1日2~3回に分けて服用@食後(コンプライアンス維持・胃腸への負担軽減。吸収は変わらない。)

フェブキソスタットは1日1回

 

先日話題になってた(?)アロプリノールとフェブキソスタットの心血管イベントに関してはまだメーカーとして精査できてない状況。心血管有害事象は非劣勢なのに、全体的な死亡数はフェブキソスタットが上なのは良く分からないってことでした。

 

ま、アロプリノールもしっかり飲めれば、よく効くが、コンプライアンスの問題でフェブキソスタットを押していました。

 

低尿酸血症も一応あるにはあるが、2.0mg/dLと言われてる。

治療法は分からず!食生活くらい?

 

 

勉強会のあと、他の参加者との会話にて・・・

ちょっと尿酸値が高い人に対しては、コーヒー牛乳がいいんじゃないかと。

コーヒーの利尿作用と牛乳の尿酸排泄への作用をあわせて。

ただ、砂糖追加はしない感じで。

腫瘍崩壊症に関してはフェブリクした適応ないが、アロプリノールは慣例でもう使ってるし、添付文書の改定は無いだろう。新しく試験して追加も無いだろうし。

 

 

以上、勉強会でのまとめでした。

 

とりあえず今日はここまで!

 

以下ガイドラインや勉強資料

・尿酸に関して一般的なもの

高尿酸血症・痛風の食事 | 食事療法のすすめ方 | 東京都病院経営本部

高尿酸血症治療ガイドライン2012

http://www.tukaku.jp/wp-content/uploads/2013/06/tufu-GL2.pdf

ザイロリック(一般名:アロプリノール)添付文書

ザイロリック錠50/ ザイロリック錠100

・フェブリク(一般名:フェブキソスタット)添付文書

フェブリク錠10mg/フェブリク錠20mg/フェブリク錠40mg

・フェブキソスタットとアロプリノールの心血管イベントへの論文

痛風患者に対するフェブキソスタットとアロプリノールの心血管安全性の比較 | 日本語アブストラクト | The New England Journal of Medicine(日本国内版)