金欠薬剤師のブログ

勉強の内容や、ツイッターで話題になってることを自分の考えとともに書いています。

血圧を上げる薬(主にミトドリン)について調べてみた。

f:id:masah616:20180901150703p:plain

めったに動かない薬だけど、おいてある薬がある

メトリジン®(一般名:ミトドリン)」

血圧って下げる薬はいろんな種類があるが、上げる薬はほんの数種類しかない。

一度自分の中でまとめようと思いました!

 

1:メトリジンの薬理作用

選択的α1受容体刺激作用に基づくもの】と添付文書に記載されています。

特にβ受容体には作用しないので心臓疾患への禁忌は無いですね。

禁忌は甲状腺機能亢進症】【褐色細胞腫】の人です。

ちなみにα1受容体はサブタイプがあります。

α1A前立腺に多い
α1B:血管に多い
α1D:膀胱括約筋多い

サブタイプや組織移行性も考えないといけないけど、前立腺肥大症に使うα1遮断薬と一緒に使った場合、訳分からんことになりそう。

併用薬とかで出てたら注意が必要かも?

 

2:メトリジンの適応

適応症としては『本態性低血圧』『起立性低血圧』の二つだけ。

血圧を上げる【昇圧剤】としての適応ってことになりますね。

 

3:低血圧っていくつぐらい?

 WHOでの基準として、収縮期血圧100mmHg以下拡張期血圧60mmHg以下を低血圧と呼ぶようです。

なので、上が100をきったら「血圧が低いねー」っていわれる感じですね。

 

4:低血圧に使える薬はあるの?

・エホチ-ル(一般名:エチレフリン)
 ⇒α1とβ受容体を刺激し、血圧を上昇させる。
 甲状腺機能亢進症・高血圧症の人に禁忌。

・リズミック(一般名:アメジニウム)
 ⇒ノルアドレナリンと競合し、再吸収阻害をおこすことにより、血圧を上昇させる。
 高血圧症、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、狭隅角緑内障、残尿を伴う前立腺肥大のある人に禁忌。

 

代表的なのは合計3種類ですね。

全てちょっとずつ薬理作用が違う。

しかし禁忌として共通しているのは甲状腺機能亢進症】でした。

甲状腺の機能が上がってると血圧上がる方向にいくからだろうね。

 

5:薬理作用から考える血圧が上がるであろう薬

NSAIDs:腎臓関連で昇圧へ
甘草(グリチルリチン):偽アルドステロン症的な感じ
ステロイド:NOの産生抑制、アンジオテンシンⅡの増加など色々
シクロスポリンやタクロリムス:カルシニューリンが関与
エストロゲン:レニン関連による
三環形や四環形の抗うつ薬:α受容体刺激、カテコールアミンの再取り込み抑制による

などなど。意外と調べるといっぱいあるし、漢方薬は甘草が含まれてるの多いから、注意してみたほうがいいかもね?

 

6:その他調べてて思ったこと

血圧って、下げることばかり考えるけど、下がるのも良くないから、何事もほどほどにってことですね。
メトリジンは高血圧に禁忌適応が無いから、降血圧薬と併用することがあるのかも?
その辺は注意してみていく必要があるかな。

 

とりあえず今日はここまで! 

 

参考資料

メトリジン錠 2mg | 添付文書 | 医療関係者向け情報 | 大正富山医薬品株式会社

アドレナリン受容体 – 薬のすべてがわかる!薬学まとめ

低血圧 | 一般社団法人 愛知県薬剤師会

エホチール添付文書

リズミック添付文書

薬剤誘発性抗血圧について

 (旧版)高血圧治療ガイドライン2009 | Mindsガイドラインライブラリ