金欠薬剤師のブログ

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プレガバリン(リリカ®)とミロガバリン(タリージェ®)の食事の影響について調べてみた

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なんかの本で

プレガバリン(リリカ®)は食事の影響が実は大きいんだよ」

って読んだので、調べたら食事の影響はCmaxで約38%も変わると学んでました。
しかも浮動性めまいの発現率も5.3%→30.8%と大きく変わる。

 

そして、新薬で同じような作用機序・適応の【ミロガバリン(タリージェ®)】が最近発売になります。

食事の影響は?という観点で比較をしてみようと思います。

1:プレガバリン(リリカ®)について

 ・絶食時及び食後で150mgを単回経口投与した時@日本人
 ⇒Cmax|絶食:4.95μg/mL 食後:3.22μg/mL(食事により約35%低下
 ⇒tmax|絶食: 0.947時間 食後:3.37 時間(食事により約2.4時間延長
 ⇒AUC0-48|絶食 :31.2μg・h/mL 食後:28.8μg・h/mL(食事により約8%低下
 【全体の吸収量としては変わりないため、食事の影響はないと判断】

 ・浮動性めまいの発現率
 ⇒絶食時投与 30.8%(12/39 例)、食後投与 5.3%(1/19 例)
 【絶食の場合が副作用の発現率が高い結果】

 ・吸収に関して
 ⇒小腸におけるプレガバリン吸収には複数のアミノ酸輸送系の関与が示唆され、高用量では輸送体が飽和する可能性が示唆されたが、健康成人を対象とした臨床薬理試験において、プレガバリン吸収の飽和はみられなかった。(インタビューフォームより)

 

 2:ミロガバリン(タリージェ®)について

 ・絶食時及び食後で15mgを単回経口投与した時@外国人
 ⇒Cmax|絶食:230ng/mL 食後:188ng/mL(食事により約18%低下
 ⇒tmax|絶食:1.00時間 食後:1.50時間(食事により約0.5時間延長
 ⇒AUClast|絶食 :884ng・h/mL 食後:833ng・h/mL(食事により約6%低下

 ・吸収に関して
 ⇒インタビューフォームにはどのように吸収されているかの記載が無いため不明だが、97%が尿中・1%が糞中に排泄されるという記載があるため、ほぼ全てが吸収されていると考えられる。

 

3:2つの薬剤比較(色々と)

 ・半減期

 ⇒プレガバリン:約1~3時間(空腹時か食後かで変わる)
 ⇒ミロガバリン:約1~1.5時間(空腹時か食後かで30分くらい)

 【プレガバリンのほうが少し時間が長い】

 ・食事の影響

 ⇒プレガバリン:大きめ(下にIFにあるグラフを添付)

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 ⇒ ミロガバリン:あまり大きくは無い(下にIFにあるグラフを添付)
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  【食事の影響はミロガバリンのほうが比較的少なそう】

 ・バイオアベイラビリティ

 ⇒プレガバリン:絶対バイオアベイラビリティ83.9~97.7% 健康成人におけるプレガバリンの尿中排泄率は用量に影響されない
 ⇒ミロガバリン:該当資料なし(ラットで97.6%、カニクイザルで85.2%、排泄の部分では98%排泄物確認との記載あり)

 【2剤とも食事の影響は無く、バイオアベイラビリティは高い】

 ・分布容積

 ⇒プレガバリン:絶食時に単回経口投与した時の見かけの分布容積は約 40L
 ⇒ミロガバリン:単回経口投与したときの見かけの終末相分布容積は、10mgで 52.66L、20mg で 56.18L

 【2剤とも分布容積はおなじくらい】

 

4:調べてみて思ったこと

 まだまだミロガバリンは新薬のため、分からない部分が多いのかなという印象。
 用量の振れ幅がプレガバリンよりミロガバリンのほうが少ないのがどう影響していくか。もし、容量が多いとふらつきなどの副作用が多く出るようなら、調節が難しい薬剤になると思う。血中濃度プレガバリンはμgだが、ミロガバリンはngだし・・・
 効能・効果の部分が末梢性かどうかの違いがあるが、実臨床ではほぼ末梢性の神経障害性疼痛でプレガバリンは使用している印象だからなぁ。

 食事に関しては、ミロガバリンはプレガバリンよりは影響なさそうっていう感じ。しかしながら、いつもミロガバリンを食後に飲んでる人が、空腹時に服用したときはふらつきなどに注意を払う必要があるかもって感じました。

 今後の情報収集をしっかりやっていこうと思いました。

 

とりあえず今日はここまで!

以下参考資料

リリカ添付文書

リリカインタビューフォーム

タリージェ添付文書

タリージェインタビューフォーム

タリージェ錠〜リリカと同じ作用機序を持つ末梢性神経障害性疼痛治療薬 - 薬剤師の脳みそ〜くすりと医療制度