慢性疼痛・神経障害性疼痛の勉強会
先日、痛みに関しての勉強会があったので、そのまとめです。
講師は整形外科のDr、腰が専門のDrでした。
以下、内容のまとめです。
痛みの分類は大きく分けると
・侵害受容性
・神経障害性
・心因性
の3つに分けられる。
痛みは
痛み要因発生⇒急性痛⇒亜急性痛⇒慢性痛
という段階で進行していく。
進行していく要因として
・器質的要因
・精神的要因
の2つが関わっているといわれている。
急性は4週間まで
亜急性は3ヶ月まで
慢性は3ヶ月以上
と定義されている。
慢性疼痛は痛みの26.4%であるといわれている。
急性痛(3ヶ月まで)と慢性痛(3ヶ月以上)では少し治療薬の選択が異なる。
急性痛:第一選択・・・NSAIDsまたはアセトアミノフェン
第二選択・・・筋弛緩薬
慢性痛:第一選択・・・NSAIDsまたはアセトアミノフェン
となっている。@腰痛ガイドライン
慢性痛に関して特異性が多いといわれているが、日本の整形外科Drがしっかり鑑別することで理由が判明することがある。
腰痛の原因であるヘルペスや脊柱間狭窄症は手術しなくても保存的薬物治療で改善する場合も多々ある。
慢性痛に対しては運動療法も効果がある。
運動療法として腰痛体操もあるが、実際は何でもOKで、演者はウォーキングだけでもいいから動くよう指導しているとのこと。
痛みがあっても少しずつでも運動を行うことが大切。
神経障害性痛はいろんな症状がある
例:痺れ感、ピリピリ・チクチク、デルマトームの一致、冷感・熱い感覚
神経障害性痛はブレガバリンだが、SE防止の観点から少量からスタート
そして意見交換会でDrとの会話でのお話
(※個人バイアスがかかってます。ただ、面白い話をたくさん聞けました。)
・リマプロスト(オパルモン)は脊柱間狭窄症で歩けない人に飲み投与してる。そして歩けるようになったら投与中止する。半減期が短い薬でしっかり服用しないと効果がでないから、分1とかで漫然投与しても意味が無い。切っていい薬。
・ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出成分(ノイロトロピン)は作用機序が不明であり、エビデンスも無い。使ってるのは古い・・・おや、誰かきたようだ・・・
・最新情報はしっかりガイドラインを読む必要がある。ガイドラインに沿った治療が一番効果的。一般化されエビデンスがあることは重要。
・ブレガバリンは添付文書上では600mgまで使えるが、日本人の体格ではそんな使えない。多くても300mgまで。高齢者・女性は150mgくらいが最大用量に感じる。とても体格のいい人だったら、600mgで使ってもいいんじゃない?
・湿布はプラセボ効果。急性は湿布も効果あると思うけど、慢性痛はプラセボ効果がでかい。(実際以前、湿布のプラセボ効果で調べたことがあるけど、慢性痛の場合、プラセボと変わらないという報告もあった気がする。)
・神経障害性痛があった場合でも最初はNSAIDsとブレガバリン併用する。炎症部位が神経を圧迫して神経障害性痛が出てる場合もあるため。
・消化器症状、月単位の安全性を考えてCOX-2阻害薬を使ってる。基本的にはCOX-2阻害薬を使うほうがいいと思う。
・痛みが改善しなくて、整体やマッサージ行く人がいるけど、あれは効果があるのは心因性の部分に対応してるから。話をちゃんと聞いてあげることで痛みが和らぐことは多々ある。
以上、勉強会でのまとめでした。
このブログを書いているときにガイドラインを調べたけど、痛みのガイドライン多すぎる!
ブレガバリンの製薬メーカーの勉強会だったけど、ほぼその薬の話はしなかったw
整形外科も内視鏡手術が出てきてるらしい。
とりあえず今日はここまで!
以下ガイドラインや勉強資料
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0021/G0000533/0001
https://www.jspm.ne.jp/guidelines/pain/2010/chapter02/02_01_01.php
・慢性疼痛ガイドライン@日本神経治療学会
https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/mansei.pdf
・神経障害性疼痛薬物治療ガイドライン@日本ペインクリニック学会
https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/kaiin_guideline05.html
・厚生省が出してる腰痛に対するやつ
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/1911-1_2d.pdf