【第17回 日本薬局学会学術総会】参加記録その3
第17回、日本薬局学会に参加しているので、そこで聞いた話をメモ程度に残してみます。
次は
褥瘡は薬剤師にとって重要な病気~褥瘡外用薬の特性を知って効果的な使い方を指導する~
○古田 勝経(医療法人愛生舘 小林記念病院 褥瘡ケアセンター長)
です。
以下、話の内容。
今後、在宅に関わるなら、褥瘡対策は大切。
目に見えて、医師看護師も治せないのが褥瘡。薬剤師の視点大切。
薬剤師も今後は褥瘡の処置ができるように規制改革会議で動いてる。
薬剤師は【基剤特性を考慮した処方提案】と【実技指導】や【効果の確認】を行っていく必要がある。
多職種の褥瘡学会で、薬剤師が唯一専門薬剤師があります。
外用薬で褥瘡は直せる。医師看護師の視点では難しい。
薬剤師による基剤ファーストな考え方が大事。
創面と皮膚では基剤特性の使い方が異なる。
創面は湿潤液による湿潤管理大切。
褥瘡外用薬は1成分に1基剤なので、ブレンドも大事。
基剤による湿潤管理と薬効成分の効果が合わされないと意味ない。
市販薬など、外用薬は基剤の効果と薬効成分の効果両方が効能効果に書いてある。
適正な湿潤状態は薬剤の溶け具合を見る必要がある。ガーゼ交換でちゃんと溶けていれば薬物滞留がちゃんと出来てると評価できる。
薬指単剤だけで治せるのは一握り。基剤と主薬を選ぶためにもブレンドが必要。(要フルタメソッド)
湿潤状況をコントロールすることで、細胞外マトリックスの形成を補助するので、治るようになる。
細胞外マトリックスのでき方によって、不良肉芽になるのか、上皮になるのか変わる。
湿潤状況コントロールをちゃんとやれば基剤だけでも治ることはある。
吸水クリーム&マクロゴール軟膏の基剤って早く治っていいよ。アズノールより早く治るエビデンスあり。
壊死組織がある場合は、デブリドマン後でヨードホルムガーゼでより創部が綺麗になるよ。
創部の薬の場合、ブレンドによる濃度低下は関係なく、肉芽組織に主薬が接すれば効果が出るので、薬効成分が減弱すると考えにくい。
開発時に薬効成分が3年間安定する基剤で選択されてるだけだから、創部状況に応じて基剤選定が大事。
創部が安定しないと、薬剤滞留が阻害され、治らなくなる。実は栄養は意味ないかも?
薬剤滞留のためには創部の固定も大事。褥瘡はめちゃくちゃ動くから。
突起部(骨)の部分の傷を移動&固定させることで治りやすくもなる。
創面固定(ポケット部分)にキチン綿を入れて創内固定を行う必要あり。
古田メソッドを聞いた医師看護師が固定しようとしても薬剤滞留を考えてない場合が多く、治らない。
外用薬の使い分けも大事だし、固定もしないと治らない。
頑張れば糖尿病で足の指の壊死があり足の切断いわれてても、ゲーベン、ヨードホルムガーゼ、プロメラインとかでやってくと切断までいかなくて良くなる場合がある。
今後は厚生省も褥瘡領域について、薬剤師の関わりが出てくるかもしれない。
医師看護師との共同で薬剤師が積極的に関わると治るか、見ていくようにしてください。
以上
感想
古田先生の話は2回目だけど、熱量があって心打たれる。
ちゃんと勉強しないと…
以前参加した古田メソッドの勉強会記録は↓